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朝の通勤ラッシュに揉まれながら、オレは今日も電車の窓越しに外を眺めた。
いつもと同じ朝のはずなのに、いつもとは見える景色が違う感じがした。
朝陽に照らされた木々の葉は、活き活きとした緑色に輝き、風で揺らぐ。
この都会の空はいつもより青い、なんてことはないが、薄雲を越えて来る光は強く感じる。
駅で電車のドアが開くたび、夏の朝のような、陽のにおいを含んだ空気が入り込む。
そういえば、もう梅雨入り前か。感じる違いはおそらく、季節の移り変わりによるものだろう。
だけど、もっと違う何か、まるで、このいつもの景色が久しぶりのような、そんな気がする。
長くとはいわない、少しの間だけ、この場所から離れていたような、
休みが終わって、また日常に戻ってきた少し切ない気分のような。
ひと晩、違う時、違う世界を過ごして、記憶がないまま、もとの日常に戻ってきたのかもな。
もしかしたらSF小説の読みすぎかもしれないけど、そう考えたほうが、面白いじゃないか!
それとも実は、まわりの景色が変わったんじゃなく、変わったのは、オレ自身の方だろうか。
いつも変わろうと、願い続けた結果、少しずつ本当に変わりはじめたのかもしれない。
何気ない日常だなんて考えるのは面白くないから、変化は自分から願い、求め続けていた。
たった一日で、それを感じられるほどオレは変わったんだろうか。
昨日までは気づかなかった日焼けのあとは、腕にはっきりと色濃く出ている。
そして、靴はきつくなったように感じる。新しい靴を買わなきゃいけないな。
やっぱり何かが、変わったんだ。そう思っているほうが、きっと楽しく生きていけるはずだ。