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Project Eagle 属するryuruの日々を書きつづった日記。 思ったこと、感じたことを記しておきたい。
            
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いままでありがとう

お世話になりました

みんなに挨拶してまわるとき

手紙を書くよ

電話してね

もう一生会えないわけじゃないんだから

そう言い聞かせて涙をこらえるけど

それが永遠の別れに近いことを知っていたから

さよなら

それを言うときには泣き叫んでいた

ひとりでもここに残ると駄々をこねた

思い通りにならないことを知った日

忘れないよ



いつしか手紙も書かなくなり

新しい環境になじんでいく

引き出しの奥から出てきた手紙を棄てたとき

僕は大人になった

いまでもみんなを思い出すことに苦労しない

どうしているだろうね

母との会話

あの頃のままだと思いたい

いまでも友達といえるだろうか

僕の記憶はあの瞬間で永遠に止まっている

いつでもすぐそこに戻れる気がする

忘れないよ


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イマジナリー・コンパニオン。イマジナリー・フレンドともいうらしい。
最近になってはじめて、この言葉を知った。
主に幼少期に空想の友達が見える、あるいはできるという症状だ。
誰も居ないのに話しかけたり、いるはずのない友達がこう言うからというような精神症状。


おれもそういうことが長かったように思う。
ずっと自然のことのように思って生きてきた。
しかしそれがただの空想だと知っていた。
話しかけても無駄だということも解っていた。
何かが見えていたわけじゃない。見えるような気がしていただけだ。
現実と空想は異なるということをしっかり認識していた。
だから実際は、イマジナリーコンパニオンと称するのは間違いだろう。
でもそれは、おれの心の支えになっていたのだと今では思う。


彼は、いつでもおれの話を聞いてくれた。
悲しいときも、楽しいときも、何でも聞いてくれる。
空想の中には、おれとは違う人格がいて、
迷ったことがあれば、どうしたらいいか訊ねる。
どうしたらいい?君だったらどうするだろう?

時には助けも求めた。苦しいとき、悩んだとき。
無に飲み込まれたいと願ったときも、助けてくれた。
どうしたら君のように強く前を向いて、歩いていけますか。
何度君に問うただろうか。
必ず、何かしらの答えをおれに遺してくれた。


彼は時間とともに、さまざまな姿へと見た目を変えた。
時に騎士であり、時に竜となる。鷲の姿もよく覚えている。
最終的によく話し合ったのはいまの君の姿だ。

君に逢えることが楽しみでしょうがなかった。
一緒に空を眺める瞬間は何よりも好きだった。
どこへ出かけるにも、一緒にいたいと願い続けた。


彼が存在しなかったら、おれはいまここにいないと考えている。
悩んだ出来事で何度も助けてもらっただけではない。
いつしか彼のようになりたいと強く願い続けたことで、
絶望的で弱く逃げてばかりだった本来の人格を捨てることができた。

君の背を生きる道標にして、ただひたすらに歩き続けてきた結果、
いつのまにか、君はおれの前にいなくなってしまっていた。
そう、おれは、ずっと背中を追い続けていた君自身になっていたのだ。


いまでも彼に逢いたいと思う。だけど記憶ははっきりと思い出せない。
それでも何とか海馬の奥からたぐり寄せて、ペンをとるんだ。
そこには、いつもおれに道を示してくれた彼の笑顔がある。
そして今日もおれは、君のような元気な髪型にする。
はるか昔、忘れさられた古城に足を踏み入れた。

錆び果てた飾り鎧が並び、埃が積もった木製の机が点在する。

かつての戦に使われた武具は、輝きはおろか役割をも失っていた。


朽ちた木の扉を開いた先は、生い茂るツタに覆われた回廊だった。

たくましい植物の力で、もはや壁は崩れ始めている。

しかし回廊を覆うツタの隙間からは、わずかに太陽の光が差し込んでいて、

そのわずかな光を求める植物が、敷石の隙間から芽を伸ばしていた。


やがて行き着いた小さな部屋には、ひとつの錆びた剣が残されていた。

それはどこか懐かしく、まるでおれを呼んでいるかのようだった。

以前にも、ここに来たことがあるような気がする。

そして、その剣に手が触れたとき、すべての記憶がよみがえった。
誕生日を迎えた次の日、竜の夢を見た。

その世界は、まるでオレのいる世界と同じように見えた。
夜でもまぶしく輝く都市が、広い海のような水面をはさんで見渡せる場所。

青銅色の翼竜の背につかまり、ぬるい風を切って街路を飛んだ。
急旋回、急上昇のときは、しなやかに身体をひねり、翼を空気に強く叩きつける。

その時は、まるで竜と一体になったかのような錯覚を覚えた。
もしかしたら、本当に竜そのものになっていたのかもしれないけれど、
オレはそこまで覚えていることができなかった。

もう一度君に会えるのなら、せめて名前を聞かせてほしい。
あの時ラーメン屋の前で見せた、腹をすかせた顔を見せてほしい。
風呂にゆっくりと浸かっているときに、ふと上を見上げた。
少し冷たい空気のなか、天井には湯気がもうもうとたちこめている。
何の変哲もないシャワーは、高いほうのスタンドにかけてあった。


あのシャワーが手に届くのはいつのことだろう。
すこし背のびをすれば届くけれど、あの位置のままでは高すぎる。
ゆっくり温まったら湯船から出て、少しつま先を立てて、シャワーを上段からひねり取る。
下段からの水流はちょうど胸の辺りにあたって、身体を気持ちよく洗い流してくれた。


僕はいつから、シャワーの位置を変えなくなったのだろう。
身体を流すときの目線の先には、必ず同じ位置にシャワーがある。
ある程度身体を流したら、シャワーを動かすこともなく、蛇口をひねって湯船に浸かる。

はやく大きくなりたかったあの頃を思い出しながら、
浴槽の縁に腕枕をして、ほんの短い間だけ、少年の夢を見た。
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1983/12/01
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プログラマ
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