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Project Eagle 属するryuruの日々を書きつづった日記。 思ったこと、感じたことを記しておきたい。
            
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日の沈みかけた夕方、僕の友達はよく遊びに来てくれた。
パンや牛乳を届けたついでに、必ずいつも楽しい話を聞かせてくれる。
その日学校であったことや、いま流行っている遊びとか。
知らないことばかりで僕がうれしそうにすると、君もうれしそうな顔をする。

そして、暗くなるまで僕の横でシュクダイをやって、
「また明日な!」 って言って帰っていくんだ。

元気な君を見ていると、僕も元気になれて、
また明日が来るのを待つ長い夜がはじまる。それが当たり前だった。


僕はここからいつでも抜け出せたけど、君が来てくれるから離れなかったんだ。
それに僕は、ひとりで生きていけるほど強くはなかった。


そんなある時、僕は君にたずねた。
-僕を、君のところに遊びに連れて行ってくれないかな。-

小さな声だったから、伝わらなかったかもしれない。
それでも神様は、僕に気持ちを伝える力をくれた。
少し冗談のつもりだったけど、君は少し驚いたような顔をしたから、
きっと僕の想いは、伝わったんだと思う。


それから毎日、僕は君を待ち続けた。
最初はかぜでもひいたのかな、とあまり気にしていなかった。
それでもそんな日が長く続くと、さすがに僕は心配になった。
パンと牛乳を楽しみにしていたのに、君の話をもっと聞きたいのに。

いつもの時間になると、君の匂いを近くに感じた。
病気で寝ているわけじゃないようなので、少し安心した。
だけど君は、もう僕の前には現れなかった。

僕のことを、忘れてしまっているわけではないと思う。
じゃあ僕のことが、嫌いになってしまったんだろうか。

そう思いはじめたら、どんどん悲しさばかりつのってきて、
涙がとまらなくて、もうこのまま飢え死にしてしまえばいいと思った。
いっそ死んでしまえば、何もかも忘れてしまえるのに。
そう考えて目をつぶったのに、朝がきても忘れられなかった。


僕があんなことを言わなければ、ずっと前のままでいられたのかな。
僕はずっと幸せだったのに、欲張りになりすぎたのかな。
神様はどうして僕に、想いを伝えさせたんだろう。
そんな余計なこと、してくれなくてよかったのに。


来る日も来る日も、僕はずっと考え続けた。せめて僕に理由を教えてほしい。
きっと君のところへは行ってはいけないんだろう、だから僕はここで待っているしかない。

けれども僕は、この狭いダンボール箱の中では、いつまでも生きられなかった。
空腹が、僕の胃を痛くしているのがわかった。



大切な僕の友達へ。
君はいま、どうしていますか。
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